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【インタビュー】【前編】初心者待望の『HoI4』攻略本はいかにして生まれたのか? 執筆担当マシュー・コーダさんが語る「史実再現」と「わかりやすさ」の葛藤

  • 執筆者の写真: コンテンツ事業部 ACROVE
    コンテンツ事業部 ACROVE
  • 3 日前
  • 読了時間: 7分

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『Hearts of Iron IV』(以下、HoI4)の攻略本制作において、執筆を担当したマシュー・コーダさん(以下、マシューさん)にインタビューを実施!


企画を聞いたときの心境から、膨大な情報量を攻略本へと落とし込む苦労、そして「史実再現」へのこだわりまで、制作の舞台裏をたっぷり伺いました。


Q1:最初に、今回の攻略本制作の依頼を受けたときの率直な感想を教えてください。


マシューさん:

率直に驚きが一番大きかったですね。


僕の中で「ゲームの攻略本」というと、どうしても『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』、『ゼルダの伝説』のような、日本発の大作RPGのイメージが強かったんです。だからこそ、今回『HoI4』という海外発のPCゲームタイトルで攻略本を出すと聞いたときは、まず「えっ、今このタイトルの攻略本を出すの!?」という大きな驚きがありました。しかも、発売からすでに10年経っているような歴史あるタイトルですから、その意味でもすごく意外な企画だなと感じましたね。


Q2:確かに、今PCストラテジーの紙の攻略本を出すというのはかなり挑戦的な企画ですよね。その上で「自分が執筆に関わる」と決まったときの心境はいかがでしたか?


マシューさん:

『HoI4』って、タイトル自体はすごく有名じゃないですか。その一方で、「名前は知っているけどやったことがない」、「セールで買ったものの、難しすぎて挫折した」という声もよく耳にするゲームなんですよね。要素がとにかく多くて、非常に難解というイメージが強いゲームです。


なので、その攻略本を書くというのは「絶対に一筋縄ではいかないぞ…」と、かなり身構えました。(笑)


― 一般的なRPGとは決定的に難易度が違いますもんね。


マシューさん:

そうなんです。一般的なRPGなら、ゲーム側がある程度のレールを敷いてくれていますよね。でもHoI4は自由度が極めて高いうえに、プレイヤー自身が画面から読み取らなきゃいけない情報量が膨大なんです。


それを「誰でも読める攻略本」という形に整理して落とし込むのは、かなり骨が折れる作業になるだろうなと覚悟しました。


Q3:制作チームの中で、マシューさんは具体的にどのような業務を担当されていたのでしょうか?


マシューさん:

僕の主な担当は、「全体の土台を作ること」でした。具体的には、目次の策定と、荒削りな本文(初稿)の執筆です。


僕が初稿を書き、チームのメンバーが「初心者にはここが伝わりにくいから文言を足そう」、「これってどういう意味?」といった形で、読者目線でのフィードバックをもらいながらブラッシュアップを重ねていきました。


― ゼロから土台を作り上げる、まさに攻略本のコア部分を担われていたんですね。


Q4:執筆にあたって、マシューさんご自身の中で「ここだけは譲れない」と決めていたマインドやポイントはありましたか?


マシューさん:

「初心者にも分かりやすい解説にする」というのは大前提としてありつつ、もう一つ「できるだけ史実の流れに沿ってゲームを再現したい」というのは自分の中で強く意識していました。


今回は史実ルートを前提とした攻略本でしたので、国家方針(NF)の選択はもちろん、歴史的なタイミングにもこだわったんです。実際にドイツがポーランドへ侵攻した年月や、オランダ・ベルギーへ侵攻していくタイミングなどを、できる限り実際の歴史に合わせるよう意識してチャートを組みました。


もちろん、ゲーム攻略を優先するあまり少し時期が前後してしまう部分もあったんですが、「可能な限り史実のタイムラインを再現する」というのは自分の中で決めていたこだわりですね。


Q5:『HoI4』といえばAIの気まぐれな動きも特徴ですが、史実のタイミングを再現する中でやり直したり、AIに悩まされたりすることはなかったですか?


マシューさん:

確かにありました!(笑) 例えば、ドイツを遊ぶと関係が出てくるスペイン内戦なんかは完全にAIの動き任せになってしまう部分なので、そこは割り切ってタイミングを固定せずに進めたりはしました。ただ執筆上幸いなことに、今回メインで解説している「ドイツ」や「日本」といった国は、歴史上「自分から戦争を仕掛けて開戦させていった側」の国家なんですよね。


なるほど! 受動的にならず、プレイヤー側の手で開戦のイニシアチブが握れるわけですね。


マシューさん:

そうなんです。AIにコントロールされて史実が狂わされることが少なかったので、そこは自分の手でコントロールしながら史実通りのタイミングを再現していくことができました。


Q6:日本パートの執筆にあたって、マシューさんならではの「独自の工夫」や「攻略のコツ」はありましたか?


マシューさん:

今回、DLCなしで解説するという条件の中で、初心者が一番つまづきやすい難所が「日中戦争」なんですよね。日本はドイツと違って、ゲーム開始からかなり早い段階で最初の戦争を迎えるため、準備期間がすごく短いんです。そうした状況下で「初心者が一番安定して勝てる方法」を考え抜きました。


― 準備期間が短い中での日中戦争は、初心者にとって最大の壁ですよね。


マシューさん:

そうなんですよ。だから、できるだけ史実に沿いたいと先ほど言ったことと少し矛盾しちゃうんですが(笑)、ここではゲームの攻略に特化したテクニックを取り入れました。具体的には、「山西(サンシー)という地域を傀儡化して戦争に参戦させない」という方法です。

その山西をいわば「壁」にして敵を包囲していく攻略法なのですが、これは史実とは異なりかなりHoI4のシステムに振り切ったやり方です。結果として、初心者の方でも日中戦争をかなりクリアしやすくなったんじゃないかなと思っています。


実際のレビューでも、日中戦争の攻略に関して「熟練プレイヤーでも難しいDLCなしの日中戦争だが、再現性が高くて初心者でも進めやすい攻略法が記載されている」と評判でしたよ!


マシューさん:

本当ですか!? 「再現性が高い」と言ってもらえるのは本当に嬉しいですね。苦労して考えたポイントだったので、読者の方にちゃんと伝わっていて本当に良かったです…!


苦労が報われた瞬間ですね!


Q7:執筆中に印象に残っているエピソードやお気に入りのパートはありますか?


マシューさん:

一番熱量を込めて書いたものの、監修のアイザックZさんにフルでボツにされて変更になったパートですね。(笑)


一番最初の原稿では、太平洋戦争の開戦時に「ハワイ侵攻(真珠湾攻撃)」と「フィリピン攻撃」、「ビルマ・インド攻撃」、「シンガポール攻撃」を、史実通り全部いっぺんに展開するチャートを組んでいたんです。開戦から一気に速戦即決で攻略していくスタイルです。これを提出したら監修のアイザックZさんから「あまりにも複雑すぎる! 難しすぎる!」とストップがかかりまして。(笑)


同時にいろんな戦線を展開すると、初心者が見るべき情報が多すぎてパニックになってしまうので、「1つずつ丁寧にやっていきましょう」ということで大幅に書き直すことになりました。ちょっと自分が史実再現にこだわりすぎていたなと反省しましたね。


史実の再現と初心者へのわかりやすさの塩梅は本当に難しそうですね。


Q8:他に制作上で苦労した作業はありましたか?


マシューさん:

今回は完全初心者向けを徹底していたので、ひとつひとつの操作手順を丁寧に言語化する作業が想像以上に大変でした。


「ここは右クリック」、「ここは左クリックであれこれをする」といった細かい操作を文字だけで正しく伝える必要があります。「この言い方で読者に伝わるだろうか?」と常に自問自答していましたね。ここに関しては、自分1人だとどうしても主観が入ってしまうので、他のメンバーと何度も原稿をやり取りして試行錯誤を重ねながらブラッシュアップしていきました。


Q9:また、「ここは割り切った・妥協した」という部分はありますか?


マシューさん:

妥協と言っていいかは分からないですが、やっぱり日本パートにおいては、史実再現よりもゲームとしての攻略しやすさを優先した場面がいくつかありました。


例えば、ゲームを有利に進めるために遠く離れたエルサルバドルから通行許可権を取ったりするテクニックを使うんですが、「史実の日本がエルサルバドルとそんな交渉するか!?」と自分でもツッコミを入れたり。(笑)


初心者向けのガイドブックとしてはこれがベストだと確信しつつも、歴史好きとしてはちょっと割り切ったポイントでしたね。


確かに、遠く離れたエルサルバドルとの交渉は『HoI4』の自由度ならではのテクニックですね! 「歴史ロマン」と「初心者への分かりやすさ」のバランスを絶妙に取られていたことがよく分かります。


Q10:そうした緻密な試行錯誤を重ねて進められた制作ですが、その期間中に「これはヤバい!」とヒヤッとした裏話などはありましたか?


― 後編に続きます。後編は8月21日配信予定。




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